
DTM用パソコンの推奨スペックを知りたい!
こんな疑問にお答えします。
DTMとは「Desk Top Music」の略称で、パソコンを使用して音楽制作を行うことです。DAW(Digital Audio Workstation)と呼ばれるソフトウェアを用いて、作曲・編曲・録音・ミックスなどを行います。
DTM初心者の中には、どのくらいのスペックが必要なのかわからないという人もいるのではないでしょうか?!
DTMでは最初に作詞作曲した曲を楽器で演奏又は打ち込みし、トラックに音を録音していきます。
次にトラックごとに録音された音をエフェクト加工したり、音を重ねてミックスしていきます。
最後にミックスされた音をマスタリングをして曲を完成させていきます。
そのため音楽制作をするには処理能力が高いCPUとメモリやストレージの容量が多いパソコンが必要になります。
そこでこの記事ではDTMに必要なパソコンのスペックとおすすめのパソコンについて詳しく解説していきます。
DTM・DAWに必要なパソコンのスペック
DTMを快適にするには、DAWの推奨スペック以上のモデルを選ぶことが重要です。
DAWの推奨スペックを満たすことで、複数のトラックやエフェクトを同時に使用してもスムーズな動作が期待できます。
Windows、Macそれぞれのメリット・デメリット
DTMをするなら、OSはMacよりWindowsがおすすめです。
理由はWindowsはMacより価格が安く拡張性があるからです。
Windowsのメリット、デメリット
Windowsのメリットは、パソコンの組み立てや拡張するパーツが豊富にあることです。後から容量を増やしたりスペックを上げるためのパーツ交換がしやすいのが特徴です。
またMacよりもパソコン本体の価格が安いため、浮いた予算をスペックの補強に充てられます。更にWindowsに対応したDAWソフトも多く選択肢が多いことです。
Windowsに対応しているDAW(音楽制作ソフト)
- Cubase
- FL Studio
- ACID
- Singer Song Writer
一方Windowsのデメリットとしては、多くのメーカーからWindows対応のパーツやオーディオインターフェースが販売されているため、組み合わせによっては相性の問題でうまく動作しない場合があることです。
Macのメリット、デメリット
Macはメリットはデザインがお洒落でそこに魅力を感じて買う人も多くいます。ひと昔前までは、アーティストの方々はみんなMacで音楽制作をしていました。
Macはパソコンのラインナップが少なくみんな同じ環境で使用しているため、何かトラブルがあっても情報の共有化がしやすくすぐに解決できるなどのメリットがあります。
一方MacのデメリットはWindowsと比較すると価格が高いことです。またMac対応のDAWが少ないため、限られた選択肢で音楽制作をすることになります。
Macに対応したDAWソフト(音楽制作ソフト)
- Logic Pro
- GarageBand
CPUはCore i5又はRyzen5以上
CPUは人間の脳と同じ働きをしており、パソコン内部の各装置への制御やデータ計算を行っています。
CPUの性能が低い(計算が遅い)と音源の再生や録音中にフリーズや音切れを起こすため、DTMでは処理能力が高いCPUが必要になります。
CPUのメーカーでは「Intel」と「AMD」の2社が有名です。
CPUは世代ごとに名称が分かれており、インテルではCore i9が一番高性能になります。
- Core i9 > Core i7 > Core i5 > Core i3 > Pentium > Celeron > Atom
AMDのCPUも世代ごとに名称が分かれており、Ryzen 9が一番高性能になります。
- Ryzen 9 > Ryzen 7 > Ryzen 5 > Ryzen 3
また同じCPUでもクロック数やコア数でも性能が異なり、数字が大きいほうが処理速度が速くなります。
- クロック数:処理するスピード
- コア数:頭脳の数
クロック数は処理するスピードを指しており、「3.6Ghz」と「2.6Ghz」では「3.6Ghz」の方が速く計算できます。
コア数は同時に処理できる頭脳の数を表しており、コア数が多いほど処理できる数も増えていきます。
パソコンを一度購入してしまうと後からCPUだけを交換するのは難しくなります。DTMをするならインテルならCore i5以上、AMDならRysen 5以上がおすすめです。
メモリは16GB以上
メモリは作業机の広さに例えられ、データを読み込みをする重要なパーツです。
作業机が広ければ広いほど作業効率が上がるように、メモリの容量が多いほどデータの読み込みが速くなります。
メモリの規格には「DDR4」と「DDR5」があります。規格上は「DDR5」の方が高速ですが、DDR4と比較しても体感的にとても「速い」と感じるほどではないです。
それよりもメモリの容量のほうが圧倒的に大事です。
メモリの容量が少ないとDAWやソフトシンセの動作に悪影響を及ぼす恐れもあるため、最低でも16GB以上は必要。
プラグインでの作曲やトラック数の多い作曲をする場合は、32GB以上は欲しいです。
SSDは500GB以上
ストレージは作業をする机の引き出しに例えられ、作成したデータを保存しておく場所になります。
ストレージにはSSD(ソリッドステートドライブ)とHDD(ハードディスクドライブ)の2種類があり、SSDはチップにデータを保存するのに対しHDDはディスクにデータを書き込み保存します。
DTMではリアルタイム再生やサンプリング音源を同時に使う場合があり、高速な読み込みができるSSDがおすすめです。
ただサンプリング音源を多く使う場合には大容量のストレージが必要になるので、容量不足を解消するためにSSD搭載のパソコンにHDDを追加するのも手です。
またSSDには、M.2とSATAの2種類があります。M.2はSATAの10倍近くのデータ転送速度が出ますが、正直体感的にそれほどの違いが感じられないのでどちらを選んでも問題は無いと思います。
SSDの容量はソフトウェア音源を今後たくさん保存することを考慮すると、最低でも500GB以上がおすすめです。
GPU(グラフィックス)は内蔵タイプで足りる
GPU(グラフィックス)とは、グラフィック処理をするパーツです。
音楽制作では直接グラフィック処理をすることはありませんので、GPUは内蔵タイプで十分です。
ただDTMと併せて動画編集もやりたいという方はグラフィックボードのGPUを選ぶといでしょう。
Geforce GTX 1650、Radeon RTX 6400以上のグラフィックボードがおすすめです。
液晶はフルHD以上でノングレア
DTMでは長時間モニターに向かいながら録音や編集をします。画面が見づらいと目が疲れて作業効率も下がるので、解像度はフルHD「1920×1080」以上がおすすめなのです。
液晶の解像度が低いと1つの面積あたりに表示できる情報量が少なくなり、画面に表示されるパラメータやボタンが大きく表示されてしまうからです。
また液晶にはグレア(光沢)液晶とノングレア(非光沢)液晶の2種類があります。
グレア液晶はパッと見は綺麗な液晶ですが光がチカチカ反射しDTMがしづらい面があることから、液晶は反射の少ないノングレア液晶(非光沢)がおすすめです。
光学ドライブ
光学ドライブがあるとDVDやCDを再生したり、空のメディアに作曲した音楽を書き込んでバンド仲間や友達に聞かせたりすることもできます。
DTMでは直接光学ドライブを使用することはありませんが、それでも後々のことを考えると作曲、録音した音楽データをCDへ書き込むことは十分に想定されます。
DVDやCD、CDRの再生・書き込みをしたいのなら光学ドライブ搭載モデルがおすすめです。
DAWでは人気があるCubaseの推奨スペックはこちら

DTMにおすすめのデスクトップパソコン
それではここまで紹介したスペックを踏まえ、DTMにおすすめのデスクトップパソコンを紹介。ご購入の参考にしてください。
DTM初心者向き

DTM初心者には、マウスコンピューターの「G TUNE DG-A5G60」。
スペックはスタンダードなので、ライトに音楽制作をしたい人におすすめです。
また動画編集にも対応。
SSDが1TBあるので、音楽データ以外にも動画コンテンツなど多くのデータが保存できます。
DTM以外にも幅広くこなしたい人におすすめのパソコンです。
- OS:Windows11 Home 64ビット
- CPU:AMD Ryzen5 7500F
- メモリ:16GB
- SSD:1TB
- GPU:NVIDIA GeForce RTX5060
マウスコンピューター「G TUNE DG-I7G70」

これからガンガン音楽制作をしていきたい!という人は、マウスコンピューターの「G TUNE DG-I7G70」がおすすめ。
CPUは処理能力が高いIntel Core i7-14700Fを搭載。
メモリが32GBもあるので、音楽制作データの読み込みや書き込みがスムーズにこなせます。
またSSDの容量も1TBと多いので、作曲データもそこそこ保存できます。
更にグラフィックスのGeForce RTX 5070は、4Kでの動画編集や3Dオンラインゲームにも対応。
ミドルレンジのDTM用PCです
音楽制作以外に動画編集やゲームもやりたい人におすすめです!
- OS:Windows11 Home 64ビット
- CPU:Intel Core i7-14700F
- メモリ:32GB
- SSD:1TB
- GPU:GeForce RTX 5070
Lenovo「Legion Tower5 30IAS10」

コスパがよいDTM用PCが欲しいという方は、Lenovoの「Legion Tower5 30IAS10」がおすすめ。
CPUは処理能力が高いIntel Core Ultra7を搭載。
メモリ32GB、SSD1TBとミドルレンジのスペック。
またグラフィックスはGeForce RTX 5070を搭載。
動画編集や3Dやオンラインゲームもスムーズな動きで楽しめます。
DTM用PCとしてはコスパ良し!
DTMを長く続けるかまだ分からないという人には最適なモデルです。
- OS:Windows11 Home 64ビット
- CPU:Intel Core Ultra7
- メモリ:32GB
- SSD:1TB
- GPU:GeForce RTX 5070
サイコム「G-Master Spear B760/D4」

DTM初心者から上級者までの幅広いニーズに答えてくれるのがサイコムの「G-Master Spear B760/D4」
サイコムのデスクトップはCPU、空冷ファン、光学ドライブなど、パーツを細かくカスタマイズできます。
標準でのCPUは処理能力が高いIntel Core i7-14700を搭載。
またメモリ16GB、SSD1TB、グラフィックスはGeForce RTX 4060を搭載。
そこそこの容量ですが、ここからOS、CPUの変更や容量を増やしたり減らしたり自分の希望に合ったデスクトップにカスタマイズしていくことができます。
更に不必要なパーツも削れるので、価格の安いDTM用パソコンのオーダーも可能です。
しかも見た目もシンプル&スタイリッシュでかっこいい。
サイコムは上級者向けとよく言われますが、カスタマイズ画面はわかりやすくパーツ選択ができるようになっているので、これからDTMを始める初心者の方にもおすすめです。
- OS:Windows10,11 Home 64bit
- CPU:Intel Core i7-14700
- メモリ:16GB
- SSD:1TB
- GPU:GeForce RTX 4060
BUTTON>G-Master Spear B760/D4の詳細を見る ![]()
フロンティア「FRGHLB760/SG1」

ミドルレンジのパソコンでDTMをしたい!という人は、フロンティアの「FRGHLB760/SG1」がおすすめ!
CPUは処理能力が高いIntel Core-i5 14400Fを搭載。
メモリ32GB、SSD1TBと容量が多いので、データの読み込みや書き込みもサクサクこなせて録音データもたくさん保存できます。
またグラフィックスはGeForce RTX 4060 Tiを搭載。
作曲以外にも4Kでの動画編集やオンラインゲームもスムーズに楽しめます。
性能はミドルクラスでDTM用PCとしては手頃な価格でコスパ良し!
こちらもシンプル&スタイリッシュでかっこいい。
音楽制作以外にもゲーミングPCとして利用したい方にもおすすめです。
- OS:Windows11 Home 64ビット
- CPU:Intel Core i5-14400F
- メモリ:32GB
- SSD:1TB
- GPU:GeForce RTX 4060 Ti
フロンティア「FRGPLB760B/SG1」

本格的にDTMをしたい!という人は、フロンティアの「FRGPLB760B/SG1」がおすすめ。
CPUは処理能力が高いIntel Core i5-14400Fを搭載。
メモリ32GB、SSD1TBと容量が多いので、データの読み込みや書き込みもサクサクこなせて音楽データもたくさん保存できます。
またグラフィックスはGeForce RTX 4060 Ti superを搭載。
4Kでの動画編集にも対応し、併せて3Dやオンラインゲームもスムーズな動きで楽しめます。
ハイスペックのDTM用パソコンとしては手頃な価格でコスパ良し!
DTM以外でのクリエイティブな作業をしたいという人にもおすすめです。
- OS:Windows11 Home 64ビット
- CPU:Intel Core i5-14400F
- メモリ:32GB
- SSD:1TB
- GPU:GeForce RTX 4060 Ti
DTMにおすすめのノートパソコン3選
マウスコンピューター「DAIV Z6-I7G60SR-A」

これからノートでガッツリ音楽制作をしていきたい!という人は、マウスコンピューターの「DAIV Z6-I7G60SR-A」がおすすめ。
CPUは処理能力が高いIntel Core i7-13700Hを搭載。
メモリ32GB、SSD1TBと容量が多いので、データの読み込みや書き込みもサクサクこなせて音楽データもたくさん保存できます。
またグラフィックスはGeForce RTX 4060を搭載。
4Kでの動画編集にも対応し、併せて3Dやオンラインゲームもスムーズな動きで楽しめます。
性能はミドルクラスでDTM用PCとしては手頃な価格でコスパ良し!
DTM以外でのクリエイティブな作業をしたいという人にもおすすめです。
- OS:Windows11 Home 64ビット
- CPU:Intel Core i7-13700H
- メモリ:32GB
- SSD:1TB
- GPU:GeForce RTX 4060 Laptop
- 液晶:16型(非光沢,1920×1080)
マウスコンピューター「G-Tune E5-I7G60BK-A」

これからDTMを始めたい!という初心者人にはマウスコンピューターの「G-Tune E5-I7G60BK-A」がおすすめ。
CPUは処理能力が高いインテル Core i7-13650HXを搭載。
メモリ16GB、SSD500GBと標準的な容量ですが、データの読み込みや書き込みはサクサクこなせますし、マイペースにDTMをしたい人にはオーバースペックにならない容量。
またグラフィックスはGeForce RTX 4060を搭載。
4Kでの動画編集にも対応し、併せて3Dやオンラインゲームもスムーズな動きで楽しめます。
初心者向けのDTM用PCとしては安い価格でコスパ良し!
DTMを長く続けるかまだ分からないという人にはピッタリのエントリーモデルです。
- OS:Windows11 home 64ビット
- CPU:Intel Core i7-13650HX
- メモリ:16GB
- SSD:500GB
- GPU:GeForce RTX 4060 Laptop
- 液晶:15.3型(非光沢1920×1080)
Lenovo「Legion 5i Gen9」

トラック数の少ないバンド系音楽を作曲したい!という人は、Lenovo「Legion 5i Gen9」がおすすめ。
SSDが1TBあるので、そこそこ録音データが保存できます。
DTMノートとしての価格で見れば20万円台はお手頃なので、なるべくパソコンを安く購入したいという方にもおすすめ!
おまけにグラフィックボードがGeForce RTX 4060なので動画編集にも対応できます。
- OS:Windows11 Home 64ビット
- CPU:Intel Core i7-14650HX
- メモリ:16GB
- SSD:1TB
- GPU:NVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop
- 液晶:16型(非光沢,2560×1600)
DTMを快適にするおすすめのBTOパソコンの記事はこちら

用途によりデスクトップかノートか選択
用途って具体的には何があるのでしょう?
例えば宅録でDTMをするならデスクトップパソコンがおすすめです。スタジオ録音主体なら軽くて持ち運びができるノートPCがおすすめです。では更に詳しくそれぞれのメリット、デメリットを見ていきましょう。
デスクトップのメリット、デメリット
同じスペックのデスクトップとノートパソコンで比較するとノートパソコンよりもデスクトップのほうが安いです。
またパソコン本体のケースが大きいので拡張や増設が後からでもできます。故障の際も故障のパーツだけを交換すれば、パソコン自体は継続して使えるなどのメリットがあります。
デメリットとしてはモニター、キーボード、本体が分かれておりパソコンケースも大きいので、スタジオなどへの持ち運びができない点です。またデスクトップは置き場所も取られます。
ノートパソコンのメリット、デメリット
ノートパソコンは軽くて持ち運びができるので、スタジオやバンドメンバーの部屋へ持ちこんでの録音や編集が可能です。
拡張性がないので容量を増やしたり性能が高いパーツに交換することが難しいです。USBポートも少ないので、オーディオインターフェースやドングルの同時接続が難しくなります。
また故障の際には故障したパーツだけの交換が難しいので、ノートパソコン本体を修理に出さなければならないなどのデメリットがあります。
併せて私が購入したサイコムのDTMパソコンのレビューこちら!

パソコン選びの注意点
僕は作曲、編曲、レコーディング、編集、ミックス、マスタリングまでを視野に入れて、デスクトップでDTMをやっています。
そこでパソコン購入からこれまでの過程で気づいた点を言います。音楽はパソコンを使いながら様々な工程を踏んで生まれます。
楽器をパソコンにつなげ、演奏を録音し、音にエフェクターをかけて、トラックごとの音をミックスし、最後の仕上げにマスタリングと制作までにいろんな作業工程があります。
そんな作業中にパソコンにフリーズや動作不良があっては、せっかくの音楽制作も台無しです。ストレスフリーで快適に音楽制作を進めるには、どうしても高性能パソコンが必要です。
ですが初めてDTMをする初心者にとっては、どんなスペックを搭載したパソコンを選んだらいいのかわかりません。購入までに調べたり、悩んだり、迷ったりとパソコン選びに時間を費やします。
当然パソコンの購入は高い買い物ですので慎重になるのは当然です。しかも高いお金を出して快適な音楽制作環境を整えるわけですから尚更です。
ですが、あなたの真の目的はなんでしたっけ?!そうです!音楽制作です。DTMです!
本来の目的から外れ、スペック選びやカスタマイズに時間を費やすべきではありません。あなたが時間を費やさなければいけないのはパソコン選びではなく音楽制作なのです!
今回ご紹介したスペックとパソコンはいかがでしたでしょうか?この記事があなたの快適で充実した音楽生活に繋がれば幸いです!